新しい搭乗様式

飛行機の乗り方も変わっている

2020年は新型コロナ禍の中で、航空会社の置かれた環境が大きく変化した年でした。特に4月から行われた緊急事態宣言による外出自粛依頼による人の流れが止まったことで、公共交通機関を利用する人が激減し、それが各社の経営基盤を揺るがす事態にまでなっています。緊急事態宣言解除された後すぐANAを利用しましたが、当時搭乗者はかなり少なかったと記憶しています。

ANAの対応

私たちの身近でも生活様式が変わっているように、飛行機の乗り方も今は新しい様式となっています。特にANAはCarePromiseと呼ばれる取り組みを行っており、新しい搭乗様式にこだわることで搭乗者に安心して飛行機を利用した旅をしてもらいたいとその取り組みに力を入れていました。私が思ってたよりもしっかりした取り組みであったため、内容を利用者の立場でご紹介したいと思います。

搭乗の前の体温測定と手指衛生

保安検査場にはサーモカメラが設置してあり検温ができます。37.5度以上の熱のある人、また咳など体調が優れない人は飛行機の利用を控えて欲しいと要請されています。また保安検査場やラウンジ、ボーディングブリッジをはじめ、至る所に消毒液が設置されており、手指消毒が呼びかけられます。

マスクの着用

また利用者にはマスクの着用も要請されています。義務とは書いてありませんが、マスクを着用できない特別な事情がない限り着用を依頼されています。

マスク着用による感染予防や感染させない科学的根拠などを理由に着用を断る人もいるみたいですが、これはそういった点での要請ではなく、あくまで搭乗者全ての人に対する安心のためにお願いされてるものです。やはりこのような状況下ですので、私自身もマスク着用は必ずしますし、周りの人もしてくれてると安心できると感じました。

ラウンジ

ラウンジにも消毒液の設置があり、利用が促されます。また利用した座席やテーブルも、利用後に係員の方が消毒されていました。この辺も徹底しているなと利用者の立場からは安心できた部分です。

優先搭乗の一時中止

優先搭乗は一時中断となっています。これまではステイタス順、座席位置順に搭乗グループ番号（搭乗順）が振られていました。これが純粋に後方窓側からの座席位置順の搭乗グループ番号に変更になっています。

これは搭乗順を座席後方窓側からにすることで、通路を人が塞いで人との接触の機会が増えることをできるだけ減らす目的があります。また搭乗時、降機時には前の人と適度な距離を空けるよう、割と頻繁にアナウンスがなされます。

このように優先搭乗がなくなり、代わりに搭乗ゲートにステイタス保持者用・プレミアムクラス利用者の専用通過レーンが設置される形です。しかしこの専用通過レーンの設置は、結局は誰もが利用することとなるのであまり機能していなかったです。

降機

降機に関しても今までと方法が異なっています。前方座席の方から座席列でグループ化され、前方座席グループから1グループずつ降ります。1グループ降り終える頃から次のグループが手荷物取り出し等の準備を行い降機します。このように少人数ずつ降りることで機内混雑を避け、人との接触をできるだけ減らす工夫がなされています。合わせて前の人と適度の間隔を空けて降りてくださいとのアナウンスがあります。この辺りは頻繁に呼びかけが行われており、取り組みが徹底してるなと感じる部分です。

機内サービスの変更

機内サービスも人との接触を減らすような工夫がされていました。

まず、搭乗最初の方でアルコールペーパーとビニール袋が希望者に提供されます。心配な人はこれで座席やテーブルの身の回りのものを消毒してくださいということでしょう。私の場合は常に除菌ペーパーを持ち歩いているため利用はしませんでしたが、心配な方は利用すると良いでしょう。

機内誌『翼の王国』の提供、機内販売も中止となっています。またプレミアムクラスでは新聞などの提供も中止、毛布の提供も中止されています。不特定の人が触るものを介した接触を避けるという意味でしょう。エコノミークラスのドリンクサービスも簡略化され、9月時点ではミネラルウォーター（ペットボトル）かお茶（紙コップ）の提供のみとなっています。

※ドリンクサービスはコーヒー・コンソメスープも10月20日より再開予定です。

機内環境の説明

また機内の換気についても説明が行われ、「高性能フィルターを通して機外の空気との換気を行い、約3分で機内の空気が入れ替わる」旨の説明がなされます。